温州:中国の国際都市

 中国の浙江省温州市に来ています。ここにある温州肯恩大学(Wenzhou-Kean University)の先生に呼んでいただき、学生映像祭の国際審査員、そして観光映像についての講演をするためにきました。


 温州までは直行便は飛んでないので、関西からだと一番行きやすいルートはおそらく、関空からの上海、上海からの国内線で温州でしょう。しかし、日中関係やイラン情勢などで、減便するリスクがあり、また急にキャンセルされることもありえる。そのためキャセイパシフィックで香港経由で温州入りです。

 温州肯恩大学は中国では新興大学らしく、かなり特別な教育をしています。授業は英語。教育システムはアメリカの大学のシステムを基準。アメリカのキーン大学(Kean大学)と温州大学との連携から生まれた大学です。中国でも最も早い例のようです。
 日本学術振興会の古い記事に、キーン大学と温州大学の提携のことが載っていました。これは2006年の記事ですが、ここに書かれている大学間の連携が進んで、新たに大学を建設したということなのでしょう。温州肯恩大学ができて12年目ということのようでした。

 他の中国の大学と比較すると10倍ぐらいの授業料が高い。そのため富裕層の子弟がほとんどということのようです。だから、学生の95%は温州以外の出身です。

 では、なぜにそんなに高い学費を払ってまで入学するのか。それは、大学院進学が背景にあるようです。この大学からは95%がハーバードやロンドン大学といった海外のトップランキングの大学院に進学します。そのためにみんなかなり勉強します。図書館は24時間空いていてて、朝から深夜まで勉強することが普通のようです。学生たちは、学内の寮に住んでいる、さらには日本とは違ってアルバイトっていう概念もないようで、勉強に集中することができる。
 だからこそ、教員の方は大変のようです。なぜならば、学生たちがめっちゃ勉強するから。教員のオフィスアワーには学生たちが大勢訪れてきては、自分の課題が十分かどうかを聞きにくる。

 Start here, Go anywhereが大学のキャッチフレーズですが、まさにそれを実現している大学です。

 キャンパスは非常に広い。でも、案内してくれた学生に言わせたら他の大学の方がもっと広いですよ、とのこと。多くが温州以外から来てるので、学内には寮がたくさんあります。そのためレストランも多数。まるで一つの街のようです。
 また、面白いことに、学内にあるレストランは学生がオーナーであることも多いようです。入学に合わせてレストランを作ったり、購入したりして、卒業の時に別の人に売る。富裕層が多い大学ならではのことかもです。

 温州には、ここも沿岸部であることもあり、世界各国への移民の歴史があります。不思議なことに、イタリアへの移民が多かったとのこと。この背景になにがあるのかは、また今後調べたいところです。

 ちょっとだけ時間が空いたので、中心街に行きました。五馬街というのがよく知られる観光地のようでした。
 この街を歩くと、海外との交易や、移住によって得た富の存在がよくわかります。また、温州の空港も政府の資金によってではなく、地元の有志で建設したそうです。
 街を歩くと、外国人の姿はほとんどありません。特段海外から呼ばなくても、十分に国内旅行者で人がいっぱいなのが中国なのでしょう。でも、これも一つの国際都市でした。
 

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